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【メンタージャム大阪のご報告】
2005年11月『未分割遺産に係わる不動産賃料等の法定果実は誰のもの?』~講師 永井 一弘 氏

 コンサルティングファーム関西支局では、今年最後となる「メンタージャム大阪」を11月9日(水)、関西支局会議室にて開催いたしました。
 今回は、メンター会員で弁護士の永井一弘氏をお迎えし、~緊急特番 永井弁護士最高裁で逆転勝訴、相続の常識が変わる~『未分割遺産に係わる不動産賃料等の法定果実は誰のもの?』と題してご講演いただきました。


■永井 一弘 氏のご講演より

永井 一弘 氏
永井 一弘 氏

 永井氏の講演は、「遺産分割についての基礎知識」として、下記の5つのポイントをわかりやすく説明していただくことから始まりました。
   1.共同相続財産をめぐる2つの問題
   2.遺産共有の法的性格
   3.遺産共有の暫定性
   4.遺産分割の手続き
   5.遺産分割の効力
 永井氏は「あまり面白い話ではないけど」と前置きをされていましたが、遺産分割を巡る論点や実務上の問題などを確認することできました。特に銀行預金だけは分割債権であっても、銀行の内部規定のために特殊な扱いがされているということは驚きでした。

メンタージャム大阪講演会メンタージャム大阪講演会

 今回の事案では、相続財産から生まれた法定果実は誰のものか、遺産分割の対象となるのかということが争われていましたが、この点に関する過去の判決を永井氏はそれぞれ「積極説」「中間説」「消極説」として説明されました。「積極説」では法定果実は遺産ではないが資産分割と一括処理した方が合理的、「中間説」では事前に当事者間で合意があるなら遺産分割の対象とすることができる、「消極説」とは法定果実は遺産とは個別の共有財産である、ということでした。

 結局、永井氏は一審、二審で敗訴したこの事案を「法定果実は分割遺産ではなく、各相続人がその相続割合に応じて確定的に取得するものである」として、最高裁の判決を勝ち取られました。これにより、今まで、地裁、高裁レベルでまちまちな判断がなされていた法定果実の帰属について、やっと統一見解が示されることになったわけです。

 難しい法解釈の説明を避け、わかりやすく実例を交えて説明されるという永井流話術により、非常に有意義な講演会となったと思います。


 続く交流会は、関西支局近くのうどん店「やなぎ」にて、ちゃんこ鍋を囲みました。永井氏のまわりには税理士の方々が集まり、講演で言い足りなかったことや聞き足りなかった点などが熱心に話されていたようでした。他の席でも、専門家同士の交流が、仕事から趣味のことまで幅広く行われていました。みなさま、お忙しいなかご参加いただき、本当にありがとうございました。

メンタージャム大阪交流会メンタージャム大阪交流会

 12月は、東京にて『第5回 Mentor JAM Anniversary(MJA)』の開催となりますので、「メンタージャム大阪」はお休みさせていただきます。年に一度のMJAは、普段なかなか会うことのできない全国の会員が一堂に会する記念祭ですので、関西の方々も万障お繰り合わせの上、ぜひお越しください。
 なお、次回の「メンタージャム大阪」は来年1月の開催予定です。

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