長生きするための仕事の選び方
「北海道では成年後見の数がどんどん増えています。今後のこの領域に力を入れていきたいですね」と、先日訪問した北海道のある司法書士の方がおっしゃいました。
多くの司法書士から、成年後見に携わることの難しさを聞くことが多かったので、ちょっと「意外だな」と思いながら詳しく話を聞いてみると、「なるほど」と腑に落ちるところがありました。
1つは仕事の性質。司法書士が以前から中心業務として行ってきた「登記」は、「対抗手段取得」 や「公示」によってトラブルを未然に防止するためのものでした。一方最近広がった職務範囲としての訴訟代理は、いわばトラブルが発生した後の「事後処理」。
この方は、「なるべくなら未然にトラブルを防止するための仕事をしたい」と思っているとのこと。この観点から言うと、「成年後見」は判断能力が弱まってきた方の後見人として財産の管理などを行い、その方がトラブルに巻き込まれることを「未然に」防止する制度。その意味で、自分のポリシーに合致している。
2つ目は収益構造。もともと司法書士は、税理士などと異なり顧問契約を結んで定量的に収益を上げられるモデルを持ち合わせていない(ないしは、持つことが難しい)。その点、成年後見は本人との契約(任意後見)、裁判所からの任命(法定後見)によって、末永くその方の財産管理をする役割を果たすことができる。1つ1つの案件において多額の報酬を得ることはできないが、第三者(銀行や不動産会社)から仕事を受託し続けられ、いわゆるスポット案件とは異なる安定的な収益を作ることができる――。
仕事をなかなか選ぶことができないのが世の常ですが、「自分のポリシーに合った仕事を創りだす」という、この姿勢は非常に重要だと思います。最近は、仕事について勝ち組・負け組みといった経済的強者と弱者の対立構造で議論が行われることが多いように思いますが、自分の「好きな仕事ができているか」との価値観で 見つめ直す必要があるような気がしました。
最後に、成年後見業務について、以下のようにおっしゃっていました。
「仕事の受注、案件の日常処理などに関して、競争原理が働かなくてよい仕事だということです。取った取られた、また、サービス競争など、そういうことをする必要がないということです(競争しながら職業後見人の地位・職務能力を高めていく、という考え方もあるかと思いますが)。
司法書士が、ホントにノウハウを共有しあい、助け合うことができ、それによってますます効率よく仕事が行えるということです。これは、近未来的な、仕事方法だと思います。
競争や、勝ち負けを超えたところに成功が待っているのです。みんなで成功できるのです。こういう仕事をしていたらきっと長生きできますよ(笑)」
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