三角合併いよいよ解禁
先日のNHKスペシャル、「敵対的買収を防げ~新日鉄・トップの決断~」を、ご覧になった方も多いと思いますが、みなさんどのように感じられたでしょうか。私は今回の制度改正で、意識するポイントが2つのあると思っています。
1つ目は、日本の企業経営者の意識変革です。概して、企業経営者はステークホルダーとしての株主へ配慮が足りないことが多かったのですが(グローバルスタンダードではなかったと言うべきでしょうか)、今後は、従業員・取引先・消費者と合わせて、株主をより意識した経営へと変わることを求められているということです。このことは、決して株価を上げたり、配当を増やしたりということだけではありません。
2つ目は、ファンドという株主の問題があげられます。通常、経営者は株主に経営に関するさまざまな情報(その企業の理念や、役割に基づく経営計画、そしてその後の実行経過)を発信して、支持不支持の判断を局面ごとに求めます。しかし、ファンドのロジックは概ね、企業価値を上げる(だいたい、株価が上がり、配当が増えることがその大きな指標)ことに終始するわけですから、その企業の従来の社会的役割(例えば、新日鉄が日本の産業の競争力向上のために、非常に重要な役割を果たしているということなど)は新しいロジックによって無視される可能性があります。ファンドがあらゆる資金を吸い上げれば吸い上げるほど、資金の出し手の個性は薄まり、没個性(利益のみの追求)となっていきます。
この2つ目の視点は非常に示唆的で、温暖化など多くの社会問題と共通項があることに気がつきます。つまり、最小単位の個人から離れ、集団、「塊」になっていくと、没個性が進行し、一人ひとり必ずしも望まない別のロジックが働き始め、個人ではそれを止められなくなってしまうという状態です。
このことは太古の昔からの問題であり、人間が社会の生き物である限り仕方のないことですが、現代の急激な「塊」の進行は非常に怖いものを感じさせます。このままでいいのでしょうか。
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