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専門家の将来は??~米国公認会計士 大石龍太郎さんとの対話(1)~

山口毅 米国公認会計士 大石龍太郎さん
 先週の金曜日はロサンゼルス在住の米国公認会計士 大石龍太郎さん大石会計士事務所・メンター会員)とお話をしました。

 最近日本における弁護士や司法書士など専門家の急激な人口増加を考えた場合、その将来像として現在のアメリカ社会がひとつの参考になるのでは……と思い、詳しくお話を聞きました。

 特に印象に残ったことは、「専門性」「中小企業への関与度」という2つです。
 
 専門性について

 弁護士は、「訴訟弁護士」と「訴訟以外を扱う弁護士」(以後、「それ以外の弁護士」と呼びます)に分類でき、「それ以外の弁護士」は「会社法」「労働法」「移民法」「知財」「不動産」「アカウント」などの専門分野で分けられるそうです。訴訟手続の複雑さ、高度な訴訟技術が求められるようになり、「訴訟弁護士」という新たなプロフェッショナルが誕生しているということには、ちょっと驚きました。このため、訴訟をするときは、「訴訟弁護士」と「会社法の弁護士」が連携して行うそうです。

 ちなみに、事務所形態についてインターネットで調べてみると、大ローファーム(大規模総合事務所)・ブティック型(何かに特化した事務所)・地域密着型(比較的小さい規模で、地域に根ざした日本でいう町のお医者さんのような法律事務所)に分かれるようです。専門家人口については、アメリカはざっと100万人(人口比率では、300人に1人が弁護士)、日本は2万3,000人(人口比率では、5,600人に1人が弁護士)でした。

 現在、アメリカと日本の専門家人口には大きな差がありますが、アメリカの「弁護士」のような仕事をしている日本の専門家(弁護士・司法書士・行政書士・社会保険労務士・弁理士など)は12万人います(人口比率では、1,100人に1人)。今後、専門家人口はさらに増え、2010年には、年間1万2,000人(資格試験合格者の合計)が新たに参入することを考えると、日本にはまったく関係のない世界ということでもなさそうです(もちろん、廃業する方もいるので、この数字がすべて純増にはならないでしょうが……)。


 弁護士の中小企業への関与度について
 
 大石さんに、アメリカにおける弁護士の中小企業への関与度を聞いてみました。すると、「ほぼ100%じゃないか」という答えが返ってきました。例えば、不動産のリース契約を締結するとき、労働者を雇うとき、労働者が辞めるときなど、あらゆる契約時に弁護士のリーガルチェックを受けるそうです。これらの契約は、日本の会社でも日常遭遇するものですね。

 ただ、よく考えてみると、日本において、社会保険労務士が関与している企業であれば労働契約についてのアドバイスを受けるでしょうし、その他の専門家(弁護士・税理士・公認会計士・司法書士・行政書士・弁理士など)が企業に関与している度合いを考えると、まったくアメリカとかけ離れているということはないでしょう。

 日本とアメリカの大きな違いは、アメリカでは、弁護士(日本では、弁護士以外の専門家含む)が他の分野にも、就業しているかどうかという部分でしょう。つまり、弁護士としての専門家サービスを提供することだけを職業とするのではなく、政治家や映画プロデューサー、企業経営者など別の職業にも従事している人の人数が、日本とは比べものにならないくらい多いのです。

 今後、日本でも専門家人口が大幅に増加するなかで、専門家サービスを提供することだけを職業とするのではなく、それ以外の職業に従事する専門家が徐々に増え始めるのではないでしょうか。まさにヘーゲルの「弁証法」に例えるなら、「質への転換」がこの世界で起こってくると思います。

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