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8月9日11時02分

 8月9日に出張で長崎を訪れました。

 61年前のこの日に原爆が投下されたことは承知していましたが、往きの飛行機で民社党の福島党首が同乗していた際、「どうしてか」と思い至らなかった感覚の鈍さを自省しつつ、暑い長崎で仕事をこなしました。

 帰りのタクシーでは、いやに元気な初老の運転手から、地元の風物詩の話題とあわせて、彼の奥様が被爆者であることを聞きました。今も元気にボランティア活動をされている奥様に、これからは語り部としての活動を始めてはどうかと勧めているとのこと。

 暑い夏の日の11時02分、奥様が爆心地から1.2キロの地点で被爆されたこと、年4回の被爆者検診の際に「1.2キロの場所で被爆し、今も元気にされている方はほんの数人になっているので健康に気をつけてね」と言われたことなどを話してくれました。

 その時、彼の話がスッと記憶に刷り込まれたことを、「なぜかな」と不思議に感じました。そして、何度か原爆記念館を訪れたり、映像や本などからさまざまな情報を得ていたのに、投下時間や、検診が今もそれほどの回数行われていることなど、まったく頭になかったことに気づいたのです。

 情報は多様な形で入ってきますが、置かれている状況とあわせて「人の口から聞く」ことが、記憶に留まるか否かに大きく影響するのではないかと思います。現場に行き、人の口から聞く、そんなコミュニケーションの大切さを改めて感じた出来事でした。

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